映画『正体』見てきました。原作・ドラマ版両方見てません。おまけにマラソンに巻き込まれて冒頭15分くらい見れてない
主演横浜流星の思い詰めている表情・抑揚はないのに感情が手に取るようにわかる山田孝之・珍しくヒール役の松重豊などキャストがとにかく豪華ですが、一番演技に驚いたのは森本慎太郎だった。
養護施設出身でタトゥーだらけの若者が借金して飛んで借金して飛んで、流れ着いた先は建築現場。環境は劣悪で寮は足の踏み場もないほどゴミが散乱していて、薄汚れた布団に寝そべってゆっくりと人生に絶望していく様がよかった。(タバコがマルボロメンソールなのがリアル)
アイドル俳優だし『だが情熱はある』も良かったけれどキラキラ感はやっぱりちょっと残っていて。あれは山ちゃんが卑屈ながらも少しずつ前を向いていく話だからそれでいいんだけど。
でも『正体』では懐っこい人柄で、最悪の境遇でも友達ができてうれしそうに笑う姿が映されてもあくまで作業者の一面という感じがして、何役でもこなせるんだ幅が広がるんだと思わされた。もっともっと困ってほしい。すべてを失ってほしい。デスゲームで負けてほしい。
個人的な感想。隣の席のおばあさんがなんだかおかしかった。荷物や服装、そしてそのニオイからして、おそらく家を持たずに生活している方なのだろうなと思った。使い古したレジ袋を握っていて、その中からお菓子?を取り出すたびにカサカサ音がして少し迷惑に感じた(もちろん持ち込み不可の映画館)。
おばあさんは時々身を乗り出すようにしてスクリーンを見ていた。映画の日で1000円だったから、この日をずっと待っていたのかもしれない。終盤、泣いている彼女を見て、この人も理由があって彷徨っていて、映画に希望を見ているのか、もしくは自分の身には起こらないフィクションだと嘆いているのか、と考えた。

Comments